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WWE、日本直接侵攻 その3 なぜ日本のプロレスは全国地上波ゴールデンタイム放送を獲得できないか

 今年のWWE日本公演(7月1日・2日、両国国技館)に、中邑真輔・ASUKA(華名)・AJスタイルズが出場することが決まった。

 残念ながらイタミ・ヒデオ(KENTA)はいまだ怪我から復帰できないようである。

 にしても、この3人が一挙出場するのであれば、それだけで日本公演史上最大の客入りになりそうだ。

 本ブログでは「WWE、日本直接侵攻」の記事を2本書いてきたのであるが、何やかやと色々あって続きを書くことができなかった。

 ずいぶん間が開いてしまったが、本記事はその続きである。

(⇒ 2016年2月22日記事:WWE、日本直接侵攻 その1 初春の初夢)

(⇒ 2016年3月3日記事:WWE、日本直接侵攻 その2 「WWE-J1」あるいは「WWE全日本」の誕生?)


 さて、WWEが日本に土着団体(支団体)を作ったとする。(仮称は「WWE-J」とする。)

 既存団体のトップ選手を引き抜き――(自主的な移籍を促し)、

 その格を落とさない規模の大会場で、数ヶ月に一度くらいの頻度で興行を打つとする。

 しかしこれだけではまだ、日本の既存団体との差別化は難しい。

 単に外資企業が日本市場に参入するだけであれば、形の上ではまたまた新団体が一つ増えただけである。

 ここは一つ、他団体をぶっちぎりでリードする「何か」を加えたいところだ。

 思うにそれは、日本最大の新日本プロレスですら実現できていない、地上波全国テレビ放送ゴールデンタイムにおけるレギュラー番組枠の獲得ではないだろうか?

 もしこれが実現すれば、WWE-Jは他団体を名実ともに圧倒することになるだろう。

 およそ日本のレスラーたるもの、ほとんどみんなWWE-Jへの移籍を渇望するようになるだろう。

 ギャラもそうだが、同じプロレスをやるのなら圧倒的大勢の視聴者に見てもらいたいのが本当だからである。


 ところで本ブログでは、プロレス中継が地上波全国テレビ放送に復帰する可能性は「絶対に」ないとまで書いてきた。

 それはなぜか? なぜ総合格闘技ではあり得ることが、プロレスではあり得ないと言える(思える)のか?

 この理由は、プロレスファンなら(口には出さないが)みんなわかっていると思う。 

 それはもちろん、「プロレスはインチキ」だと世間が思っているからである。

 
 プロレスとは、八百長の代名詞である――この認識は、もはや国民的常識と言ってもいいだろう。
  
 ネット上の言説でもそうだが、特に週刊誌(に寄稿する人)が政界について書くときなど、「これはプロレス」だ/ではないか、と言及することは頻繁にある。

 むろんそれは、「争っているように見せているが、実は出来レースであり馴れ合いである」との意味を表している。

 そんな書き方をされてしまうのは、「プロレスとはそういうもの」と読者が思っているから/「わかっている」からこそだ。


 もう、おわかりだろう。

 CS(衛星)放送や地上波全国放送でも深夜枠ならともかく、そんなのをゴールデンタイムに流すわけにはいかないのである。

 そんな番組に大手のスポンサーが付くわけがないのである。

 もしあなたが熱烈なプロレスファンのテレビ局員だったとしても、「プロレスのレギュラー番組」を「全国地上波のゴールデンタイム」に流す企画を通すのは、極めて難しいことだとわかっているはずである。

 この時代、間違いなくテレビ局にはクレームの電話が入るであろう。

「おまえの局は、八百長のショーを本当に勝敗を争ってるように放送するのか」――

 こういう電凸を受けたとき、プロレスファン局員であるあなたなら、どう応答するだろう。

「何をおっしゃるんですか! 本当に争ってるに決まってるでしょう!」とか、

「もちろん我々は団体から、真剣勝負を行なっていると報告(あるいは誓約)を受けてます」とか、

 あなたが真面目なプロレスファンであればあるほど、きっぱり答えることは難しいのではないだろうか?


 要するに、プロレスを公然と放送することは、局の信頼に関わるのである。

 そんな番組のスポンサーに付くことも、その企業の信頼を無用に揺るがすことになるのである。

(電凸の標的がテレビ局に限られることなくスポンサーにも向けられること、その方が効果があるともネット上で言われていることは、皆さんご存じのとおり。)



 なお、プロレスが最後に全国地上波ゴールデンタイムに放送されたのは、旧WRESTLE-1(K-1と武藤全日本の共催したイベント)の第1回(2002年11月17日)・第2回(2003年1月19日)――

 その際、武藤敬司はテレビ局から「放送中、プロレスという言葉を使わないでください」と言われたそうだ。

(武藤が雑誌のインタビューでそういう話をしていたのを読んだ憶えがある。何で読んだのかは失念したが。)

 こんな調子で、プロレスがゴールデンタイム放送に復帰できるわけがない。

 一方総合格闘技が、たとえ大晦日の一日だけでもゴールデンタイム(大晦日の夜は、そう呼んでも差し支えあるまい)に全国放送されるのは、一応はそれが「本当に勝敗を争う真剣勝負」と世間に見なされているからである。

 だがしかし、「日本のプロレス」にはできなくとも、「アメリカのプロレス」には全国地上波ゴールデンタイム&レギュラー放送を獲得できる可能性がある。

 なぜそう思うのかは、次回記事に書く。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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