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イケメン、SUPER J-CUPに出撃か? 多様性のプロレス

 先日4月3日、久しぶりにスカパー・GAORA SPORTSでWRESTLE-1の中継を見た。(3月13日の後楽園ホール大会)

 スカパーには月に1回、契約していないチャンネルも無料で見れる日があり、もしその日にやってさえいればなるべくプロレス中継を見るようにしている。(ドラゴンゲート、OZアカデミーが主)

 さて、久しぶりに見たWRESTLE-1では、KAIがまるで狂人のようになっていた。

 たった数年前(2013年11月16日・後楽園ホール)、TNA世界ヘビー級王座戦に挑戦したときとはあまりに違う雰囲気である。

 それはともかくその日、黒潮“イケメン”二郎は「試練の七番勝負」第2戦として関本大介(大日本)と戦い、当然ながら敗北した。

 しかし試合後のマイクパフォーマンスはあくまで明るく、故・山本小鉄や前田日明がそこにいたらどんな反応を見せるだろうかといらぬ心配をするほどであった。

 そして4月6日、試練第3戦で高木三四郎(DDT社長・WRESTLE-1 CEO)と戦ったイケメンは、やはり敗北。

 バトル・ニュース4月7日記事によると、試合後に次のようなやりとりがあったらしい。


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(高木)

 イケメン!お前スゲーよ! お前みたいな魅力がある選手は、日本マット界、世界見回してもどこにもいねーよ!

 勝ったらDDT上がりたいですとか色々言ってたけどさ、DDTなんてちっぽけなこと言ってないで色んな団体に出てこのWRESTLE-1の素晴らしさを世間に伝えてこい!


(イケメン)

 ありがとうございます。いろんな団体に出る! その第一弾は! SUPER J-CUPですか! SUPER J-CUPのJは二郎のJじゃないんですか!


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 SUPER J-CUP2016は、8月21日に有明コロシアムで開催される、新日本プロレスの大会である。

 その第1回(1994年)は、先日急逝したハヤブサがインディー界から一躍全国区のメジャーレスラーにのし上がった大会として知られる。

 いやそれにしても、イケメンがSUPER J-CUPに出るというのは盲点であった。

 なるほど確かにこれは面白そうであり、新日本ファンの観客にもウケると思う。

 高木三四郎が「こんな魅力のある選手は世界を見回してもどこにもいない」と言っているのは言いすぎだと思うが、目を引くキャラであることは間違いない。

 まずプロレスファンならざる人にとっては、なぜ彼が“イケメン”と呼ばれているのか不思議だろう。

(ちなみに私の思うプロレス界のイケメンとは、伊東竜二(大日本)とジェイク・リー(全日本)の二人が筆頭である。)


 私もこの記事で普通に“イケメン”と略称しているのだが、普通なら“黒潮”と呼ぶべきなのにそうなっていない。

 ミドルネームを持つプロレスラーは何人もおり、“ハリウッド”ストーカー市川もその一人だが、誰も“ハリウッド”とは略称しない。

 また彼は身体能力が高いとしばしば言われるものの、正直なところ「並の」高さだと思う。

 そしてもちろん、「強い」というイメージもない。

 だがそれでも、ここまで絶賛され期待されるのである。

 プロレスで重要なのは、強さより何より「キャラクター」であることの、一つの例証のようなレスラーとも言えるだろう。

(⇒ 2016年3月13日記事:内藤哲也の優勝と台頭 ニュージャパンカップ2016)

 ところで繰り返しになるが、SUPER J-CUPは新日本プロレスの大会である。

 その自社大会に他社の選手を呼んで名を挙げさせることに、新日本にとって何のメリットがあるのだろう。


 これは基本的に、自社が苦しくてどうにもならないときに使う手であって、世間一般のビジネス界ではまずあり得ないことではなかろうか。

 それが業界全体のためになるからと言って、自社のイベント・内覧会・カタログに他社の商品を並べるなど考えられないことである。


 しかしプロレス界においては、そういうことが当たり前に行なわれている。

 第1回SUPER J-CUPにハヤブサなど他団体の選手を多く出場させたことは、獣神サンダー・ライガーの功績の中でも最大級のものだと見なされている。

 これはプロレス界が世間一般と違う点、そして良い方に違う点だと私には思われる。


 もっとも、イケメンのキャラクターはすでにプロレスファンの間で知れ渡っているので、第1回SUPER J-CUPでハヤブサが与えた衝撃を再現することは極めて難しいだろう。

(あの男色ディーノが新日本に登場したときだって、そこまで衝撃的だったわけではない。)

 また、イケメンがSUPER J-CUPで優勝するなんて本気で予想し・期待する人も、一人もいないだろうと思う。

 ただそれでも新日本には、こういう「他団体選手枠」を2人分くらいは確保しておいてほしいものだ。

 それは日本マット界最大勢力である新日本の“良き伝統”でもあり、世界のプロレスファンに対しては日本マット界全体の“独自性・多様性”をアピールすることにもなるだろうからである。


 ※イケメンのあのキャラクターが、アメリカでもそのまま通用すると思う人はいないだろう。

  だから彼がスターになれば、“WWEに行きそうもない/引き抜かれそうもない”スターを確保することにもなる。

  これをローカルヒーローと言ってしまえばそれまでだが……

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[C51] イケメンはW-1の希望

W-1のことは、ネットのバトルニュースと、団体オフィシャルのフェイスブックやツイッターからしか、情報を入手しておらず、実際の試合映像を見る機会はありません。

最近でめぼしいことは、フリーになった「緑の遺伝子」鈴木鼓太郎が、主戦場としてクルーザー級王座に君臨したことくらいです。

W-1は若手が粒ぞろいで活気があるという印象がありましたが、いつの間にか顔ぶれが固定化してしまい、フレッシュさという面では全日本プロレスにすっかりお株を奪われてしまいました。

諏訪魔のアキレス腱断絶やドーリングの脳腫瘍などのアクシデントもありましたが、半ば強引ながらリング上の世代交代に成功した全日本プロレスに比べると、W-1は武藤敬司の試合が今だにセミファイルで組まれて、若手には集客能力はありません。
私としては、次代を背負うエースだったはずの真田聖也が抜けたのが大きいと思っています。

W-1の未来を託す存在として、イケメンくらいしか見当たらないのは深刻で、もはやプロレス総合学院の卒業生に期待するしかないと思います。

イケメンはぜひJ-CUPに出場して、W-1の認知度を上げて、集客力を身につけて欲しいものですね。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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