前回記事で書いた「鈴木軍興行」だが、そのカード内容は
「新日本 vs NOAH」及び「新日本&NOAH連合軍 vs 鈴木軍」で構成されていた。
これを見て一目でわかるのは、
鈴木軍という「第三のリング」が新日本とNOAHの交じわる場となっていることである。
むろんこれは、新日本とNOAHが協力関係になければあり得ないこと――
ちょっと前からいつの間にか、新日本の公式サイトではNOAHの試合結果などが平気で掲載されるようになった。
言うまでもなくこれは、新日本がNOAHの情報発信をサポート――要するに、NOAHという団体をあからさまに「支援」していることを示している。
ちょうど1年前の3月、本ブログでは「NOAHは現代のUインターか?」という記事を何本か書いた。
(⇒ 2015年3月18日記事:NOAHは現代のUインターか? その1)(⇒ 2015年3月21日記事:NOAHは現代のUインターか? その2 テレビ局の支援) (⇒ 2015年3月21日記事:NOAHは現代のUインターか? その3 メジャーからインディーへ:本来の姿への回帰)(⇒ 2015年3月22日記事:NOAHは現代のUインターか? その4 ノア全敗と傭兵隊長・鈴木みのる)(⇒ 2015年3月24日記事:NOAHは現代のUインターか? その5 「新日本幕府ノア藩」の成立) それから1年後の今、
新日本によるNOAHの「接収」は、NOAHファンにとってもさほど悲劇的とは受け止められずに、密かに終わってしまった観がある。
それどころかNOAHには復興の兆しが見え始めた、とさえ言われている。
変な言い方になってしまうが、どうも
NOAHは新日本の衛星国としての地位を確立したようにも見える。
おそらく新日本とNOAHのフロント陣は、「NOAH勢がこぞって新日本のリングに乗り込む」とか、「新日本の主力トップ勢(オカダ・棚橋らのこと)がNOAHのリングに登場する」という形での“協力関係”は露わにしたくないのだろう。
もしかすると本当にかつてのUインターのことが念頭にあって、直接全面戦争の形を取りたくないと意図しているのかもしれない。
Uインターに限らず、新日本と全面戦争した団体は大日本プロレスを除きほとんど滅び去っている。
新日本の方針がNOAHの救済にあることは明らかなので、相手団体を滅亡させた実績のある全面戦争パターンをわざと回避している、というのは大いにあり得る話である。
だから、両団体が交わる格好の場が、鈴木軍という「第三のリング」というわけだ。
しかしこれ、初めから鈴木軍をそういう役回りにしようとした深謀遠慮の帰結なのだろうか?
鈴木軍はNOAHへのテコ入れのために結成され、新日本によりNOAHへと送り込まれた。
これは確かなように思えるのだが、それにしても
「鈴木軍」というのはこれ以上なくストレートでダサくさえあるネーミングである。
それが新日本とNOAHを繋ぐ、プロレス界でも有数の重要な「団体」になったのは、やはり鈴木みのるら所属選手の力量と見るべきなのだろうか?
むろん鈴木軍は「団体」ではない。しかし団体と称してもよい選手数を擁している。(今のところ10人)
「ユニット」と言うべきなのかもしれないが、私としては
「プロレス集団」と言いたいところである。
互いにメジャーと称された他団体を支援するため送り込まれ、両団体の結節点となるリングを提供する――
こういう傭兵集団は、今までのプロレス界で思い当たる例がない。(私が思い当たらないだけかもしれないが)
鈴木みのるはパンクラスという「未来の総合格闘技団体」の創設者であったばかりでなく、そういう「プロレス集団」の創始者ともなった。 となると鈴木みのるはプロレス史において相当に重要な地位を占めることになるのだが――
果たしてその行く末は、どんなことになるだろうか?
- 関連記事
-
スポンサーサイト
- http://tairanaritoshi.blog.fc2.com/tb.php/275-6aa93f2a
トラックバック
コメントの投稿