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恋愛離れと未婚率上昇の真因 その2 時間資源の有限性

 まず、「(1) 恋愛・結婚・子育て(「恋愛等」)がコンテンツ化し、趣味・娯楽の選択肢の一つとなった」ことから。

 しかしこれはもう言い古されてきたことなので簡単に述べる。

 現代において恋愛等は、世にあまたある趣味・好み・生き方のうちの一つとなった。

 ゲーム、スポーツ、アニメや読書や学問研究と同列の、快楽増進・幸福追求のためのコンテンツ(素材)なのである。


(もちろん学問の道に進んだ人は、それが面白いから/快楽だからその道に進んだに決まっている。)


 かつて恋愛等は、人生の基盤だったのかもしれない。

 それは万人に共通であるべきであり、その他の趣味はその上に載せられるべきものと観念されてきたかもしれない。

 しかしここ半世紀くらいの間に、選べる趣味(娯楽)は格段に増えた。

 しかもそれは娯楽の「種類」に留まらず、「数」自体が増える一方になっている。

(むろん過去コンテンツが累積していくからだ。)  



 ここで重要なのが「(2)時間という資源は増えることがない」で――

 いくら娯楽が増えたところで、我々が使える時間はほんの一秒も増えてはいない。

 つまり数も種類も増殖一方の幸福追求手段に対し、我々の投じ得る時間は全然少しも変わっていない。


 その帰結は明らかであり、何かに時間をかけようと(かけたいと)思えば、他の何かに使う時間を減らすしかない。 

 これだけでもう「恋愛等」が衰退するのは必然のことと思えてくる。


 
 前にも確か書いたはずだが、スカパーを契約すれば地上波テレビを見る時間は減る。ほとんど見なくなるまでになる。(私のことだ)

 何かが好きであれば、当然その何かに時間をかけたいと願うし、実際かけるだろう。

 そうなるとその何か以外が後回しにされる/忌避される/スルーされる、というのは不思議なことでも何でもない。

 そして恋愛等は、間違いなく時間を食う(カネも食うが)コンテンツである。

 しかもその上、自分のしたいことが抑制されるのもわかりきっている。

「結婚したら自分の好き勝手はできなくなる」とは一種の社会道徳であり、誰もが「それはそう」だと思っているが――

 まさに結婚がそういうものだからこそ忌避されるのだし、食指を動かす気にならないのはむしろ正常とさえ言える。



 仮にもし時間が有り余っているものならば、未婚率や「恋人が欲しくない人」は確実に減るだろう。

(しかし、激減するだろうとは言うまい。)

 「ヒマだし、そういうこともやってみようか」という人は絶対にいる。

 しかし現実はそうでなく、未婚率も「恋人が欲しくない人」も増え続けている(こちらは「急増している」と言えそうである)というまさに実際に起こっていることが、「恋愛等」がコンテンツ間競争において劣勢にあることを証明している。

 「現代のコンテンツ間競争とは、つまるところ時間の奪い合いである」とは、プロレス業界でも語られていることである。

 蛇足になるが、もし何らかの形で「時間を増やす」ことができるなら――

 それを発明した人間または企業は(科学的にも社会的にもビジネス的にも)、史上最大のブレイクスルーを果たしたことになるだろう。

 これこそがイノベーション中のイノベーションであり、ニューフロンティアと言うにふさわしい時代が幕を開けるだろう。


 しかし今のところ、そういうことが実現する見込みはない。(ただしいつかは実現するに違いない。)


 さて、ところで、恋愛等が人々の共通の幸福追求手段でなくなったとして、

 全国勢力からその他大勢の一地方勢力に転落したようなものだとして、

 それでもなお他を圧する魅力があれば、こうまで未婚率・恋愛希求率が激減することにはなっていないはずである。 

 ではなぜ、恋愛等には魅力がなくなったのだろうか?

 その答えは、「(3) 恋愛等は人間関係であり、現代人は人間関係こそ人生最大最悪のリスクと思っている/感じている」ことにある。


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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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