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RIZIN 12.29短感その1 桜庭和志の完全惨敗

 RIZINの12月29日「SARABAの宴」を、スカパー生中継と地上波で二度見した。

 常日頃「時間がない」と思っている割には、贅沢な時間の使い方である。

 しかしさすがに年末には、財布のヒモが緩むではないが時間のヒモも緩めていいかという気になる。


 さてこの大会、かなり上質で面白い大会だったと思う。

(12月23日のNOAH大田区体育館大会もそうだったのだが、これを書くのは年明けになりそうだ。)

 判定決着は「高谷裕之 vs DJ.taiki」の一戦のみ、その一戦も感動的でさえある好勝負だったと思う。(3-0で高谷の勝利)

 その中で特に印象に残ったことを、以下箇条書きする。


(1) 桜庭和志(vs 青木真也)の完全惨敗。

(2) 所英男(vs 才賀紀左衛門)の技術の鮮やかさ、及び才賀の妻:あびる優の凄まじい絶叫応援。

(3) DJ.taiki(vs 高谷裕之)の凄絶健闘。

(4) HIROYA vs 西浦“ウィッキー”聡生の好勝負、及びウィッキーが月収10万でタンポポを食っていること。

(5) 高坂剛(vs ジェームス・トンプソン)の復帰戦勝利。

(6) ジェロム・レ・バンナが緊急欠場となり、バルト(把瑠都)の対戦相手はピーター・アーツとなった。

(7) ヒョードル軍団の、参加選手に占める比率の高さ(そして強さ)。

(8) 高橋大輔・市川勝也・矢野武ら(スカパーのプロレス/格闘技中継でお馴染みの)3氏の実況が地上波で聞けた。



 特に(1)の桜庭惨敗は、見てて「もうやめてくれ」「やっぱりこの試合は見たくなかった」と思った人が多かったろう。

 ゴング数秒後のタックルで倒されて以来、ほとんどずっと青木真也に上に乗られ、何分間も殴られっぱなし。

 見せ場もクライマックスもなく、「惨殺」と言いたくなるようなシーンが続いた。

 これが桜庭でなければレフェリーはタオル投入前にとっくに試合を止めていただろうし、ファンもまた「何て弱い選手なんだ」と普通に思ったに違いない。


 青木真也は試合前、「リングの上にあるのは現実です」と言った。その現実をこれでもかとクッキリ見せられた。

 まさに青木は有言実行の男であり、本物の実力を持っていることを(また)証明した。


 青木は好感を持てる人間とはとても言いがたいが――

 そして「あの」、長島☆自演乙☆雄一郎へタックルに行って膝蹴りKOされた試合(2010年12月31日 Dynamite!! ~勇気のチカラ2010~)があまりにも印象に残っているが――

 さらにまた今回の試合の後で本人がマイクで言ったように、「僕はまだ桜庭さんの代わりはできません」というのは本当だと思うが――

 それでもやっぱり日本格闘技界の主役なのだ。(拠点はシンガポールだが)



 青木は戦前、そして煽りVで言った。


「MMAってスポーツは裏切られるんだから。

 新日本プロレスはハッピーエンドで帰してくれる。

 MMAはハッピーエンドで帰れないんだよ。

 泣いて帰るんだからファンが。」



 まさしく桜庭戦は、ハッピーエンドで終わらなかった。

 ああいう試合は――

 選手が血みどろになり、何の見せ場もなく一方的にボコボコにされタオル投入になるような試合は、

 今の新日本プロレスでは決して見られないし許されもしないものである。


(⇒ 2015年10月1日記事:新日本のブルーオーシャン その1 木谷会長のカミングアウト)


※そしてまた、フジテレビにとっても面白くはない結果だったろうと思う。

 MMAに「裏切られた」とは思わないまでも、期待外れの試合展開だったのはまず間違いないだろう。

 バンナの欠場といい、つくづく格闘技の中継とはリスクの大きい不安定なものである、と感じたのではないか。



 いま新日本プロレスに参戦中の桜庭が、滅多に負け役になることがないことを思えば――

 つまり「強い」存在と扱われていることを思えば、青木の拳は桜庭を通して「ハッピー新日本」に振り下ろされていたと取れないこともない。

 確かに桜庭戦は、いやRIZINは、総合格闘技は、新日本をはじめとする「プロレス」では絶対に味わえない緊張感と面白さを持っていることを認めざるを得ない。

 総合格闘技草創期、「もうプロレスなんか見れねぇや」とファンが流れていったのもわかる気がする。



 むろんプロレスには、総合ではまず味わえない感動と面白さがあることも事実である。

(つい最近の天龍源一郎引退試合は、その一例だろう。)

 しかしプロレスの不利な点は、大晦日だろうが他の日だろうが、ゴールデンタイムに全国地上波テレビで放映されることは「絶対に」ないことである。

 新日本のV字回復というのは、PRIDEが地上波放送を失った間隙を縫って初めて可能になった面があると思う。

 RIZINという名のPRIDEの復活は、やはりプロレスにとって脅威だろう。

 そしてその象徴として統括本部長を務めるのが、(引き続き)元「最強」プロレスラー:高田延彦だというのは、つくづく皮肉なことである。 


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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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