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RIZIN バルトvsジェロム・レ・バンナと曙vsボブ・サップ その2

 曙vsボブ・サップ、12年ぶり2度目の対戦。

(投げ技あり、寝技なしのシュートボクシングルール)


 この試合を真面目な意味で期待している格闘技ファンは、ほとんどいないと思われる。

(ケッサクシーンが見られるんじゃないか、などとの「期待」はあるだろう。)


 私も正直このカードを知ったときは、視聴率目当ての客寄せパンダ同士の試合だと感じないわけにはいかなかった。

 しかし今、確かに見る目は変わっている。

 プロレスファン、とりわけ全日本ファンであれば、この試合の意味を重大に捉えるべきだと思う。

 なぜなら曙は新会社「王道」を設立し、その活動資金のためにリングに上がると明言しているからだ。


(⇒ 2015年12月5日記事:曙による全日本再分裂)


 12月4日の記者会見で曙は、

●プロレスが大好きだし、プロレスで思いきり暴れたいが、状況的に今はできない。

●新会社を作るのにもお金が必要。大晦日のRIZINに出て、そのファイトマネーで少しでも会社がやりくりできるようにしたい。

●「やりたい闘い」と「やらなきゃいけない闘い」の2つがあるが、今回は「やらなきゃいけない闘い」。

●12年前はただケンカを売られたからK-1に出たが、今回はそういう気持ちは全くない。今回は勝って「王道」を日本全国に伝えたい。


 と述べた。

(ちなみに記者会見場はキャピトルホテル東急。

 かつてそこにあった「オリガミ」を馬場が贔屓にしていたのは名高いが、この会場を用意したのも元子氏だという。)
 


 いったい誰が、ジャイアント馬場の王道の浮沈がこの一戦にかかると予想しただろう。

 馬場の王道を曙が背負ってリングに立つ。しかもそのリングはPRIDE後継の総合格闘技のリング、闘う相手はボブ・サップ。

 これはまさに、イリュージョンというかファンタジーの世界である。



 あるいは人は、曙が「王道」を名乗るのも背負うのも本人の勝手にやってることであり、馬場とは何の関わりもないと言うかもしれない。

 しかしながら、たとえそうでも誰かが自らそう宣言して試合に臨む以上、やっぱり関わりは生じるのである。

(別に、馬場未亡人:元子氏が曙を支援しているからではない。)


 いやしくも現役選手かつ前三冠王者、そして「王道を継ぐ」新団体を起こそうとしているプロレスラーがそう言っているのだから、周りもそう受け止めるのが筋というものだ。

 現に秋山全日本からも、曙のこの宣言を批判する声は聞こえてこない。

(むろん、「曙が負けても王道の負けではない」などと試合の前から言えるわけないが。

 また、そこらの中堅レスラーならまだしもだが、何と言っても曙は「元・大相撲横綱」という権威を持っているのだ。)


 しかしこれ、恐ろしいほどの覚悟とプレッシャーである。

 もし曙が(また)サップにあえなく敗北すれば、それは馬場の王道の敗北でもあり「(株)王道」の敗北にもなる。


 12年前に惨敗した相手に――しかも「あの」ボブ・サップに――再度負ければ、曙のみならず「王道」の威信と未来も地に落ちる。

 他流試合に惨敗・連敗した道場に、入門を希望する者はいない。(だからこそほとんどの流派が他流試合を厳禁する。)

 曙が今度負ければ、(株)王道がそうなるということである。

 よく決断したものだと思う。


 また曙は闘う理由としてもう一つ、「12年前のリベンジ」も挙げている。

 日刊スポーツ12月9日記事から引用すると――


*******************************

 12年前に大みそかに負けて、ずっとその苦しみ、悔しさを心の奥の奥に押し込んで毎日を過ごしてきた。

 いずれやりたい、リベンジしたいと思っていたときに話をいただいた」という曙は、RIZIN側のオファーに1つだけ注文をつけた。

「ボブ・サップじゃないと、この一戦はやりません」。


*******************************


 あるいは元子氏が「(株)王道」も全日本プロレスも両方支援していくと言っているのは、曙が敗戦した時のためのリスクヘッジなのかもしれない。

 曙が負ければ「(株)王道」の将来はいきなり暗い。

 それがわかっていてもなお、曙の決意は非常に固かったのだろう。

 元子氏の真意がリスクヘッジにあるとしても、私は批判する気にならない。



 さて、では、曙はサップに勝てるのだろうか?

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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