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タリバン内紛、新指導者死亡? 今週のどうでもいいニュース

 アフガニスタンのイスラム原理主義&反政府勢力、タリバンの最高指導者・マンスール師が死亡したかもしれない。

 今年7月、前指導者オマル師(ウサマ・ビン・ラディンをアフガンにかくまった人)が2年も前に死亡していることがわかった。

 その後を継いで指導者に就任したマンスール師は、どうやらアフガン現政府との和平交渉に前向きだった。

 しかしそれに反発する幹部連も多く、12月1日に幹部会を開いているとき互いに発砲になった模様。

 ロイター通信がタリバン幹部の一人の話として伝えるところによると――

 幹部5人が死亡、10人以上が負傷、マンスール師は銃弾4発を受けたらしい。

(ただし、組織としてのタリバンはこのことを否定している。ただし、そりゃ否定するだろう。)


 これを読み、ヤクザ映画やマフィア映画でありそうなシーンだと思った人も多かろう。

 そして、タリバンの凋落を感じた人も多かろう。


 はっきり言ってこれは、「今週のどうでもいいニュース」の一つに数えられるのではないだろうか?

 「アフリカの●●共和国でクーデター」といったよくあるニュースと同列の、昔で言う「ベタ記事」のネタになったのである、今のタリバンは。



 かつてアフガン全土を制圧し、バーミアン大仏遺跡を爆破(2001年3月)して世界中にセンセーションを巻き起こしたタリバン。

 2001年9月11日のアメリカ同時多発テロに続き、ビン・ラディンとともに米軍と戦ったタリバン。

 世界の耳目を引き付けたあの頃の輝きは今はなく、注目の的はイスラム国に取って代わられた。

 今のタリバンはイスラム国に比べてはるかに影が薄く、マイナーでローカルな落ち目の組織の観がある。


 むろんアフガニスタン人にとってはどうでもよいわけない勢力だが、それ以外の人だったら「タリバンってまだあったの?」と素で感じても不思議ではない。 

 

 落ち目の組織には、内部分裂が付きものである。

 いや、旭日昇天の組織や平和団体の中にさえ、内部対立は存在する。

 歴史系・読書系プロレスファンは、そのことを他の人よりもずっとよく知っているだろう。

 これは物理法則・自然法則と同等であって、宗教なんかでそれがなくなるわけはない。

 そしてむろん、今のイスラム国の中にもそれは絶対に存在する。

 
 こんなことは私が言わなくてもいいことだろうが――

 米軍も英・仏・露軍も一番望むところはイスラム国が内部分裂を起こすことだろうし、それを策していると思う。

 それにはやっぱり、最高指導者(“カリフ”)アブーバクル・バグダーディ師を除去するのが手っ取り早い。


 こういうことを言うと「そんなことしたら彼が殉教者になる」「もっと反発と抵抗を引き起こす」なんて声が出てくるのだが、

 すでにイスラム国側はほとんど誰彼かまわずテロ(自爆テロ含む)を仕掛けているのだし、充分西欧に敵対しているのだから、

 次から次へ最高指導者を葬っていってもたいして状況は変わらないだろう。

 いや、そうなると間違いなく内部分裂が促進されるので、反イスラム国陣営によりよい結果がもたらされるのは期待してよいと思われる。


 なにせ分裂した旧組織の片割れというのは、他の片割れと争うために――

 「絶対に手を組むはずがない/手を組んだらおかしい」相手とでも手を組むのである。援助を求め、同盟を結ぶのである。

 そういう例は世界史上に枚挙に暇ないのである。



 それにしてもタリバンが、そしてアルカイダも、ここまで影が薄くなるとは数年前まで予想もされなかったことである。

 時代の流れは早いというか、それとも全世界がニュース速報化しているというか……


 タリバンもアルカイダも、何か一発ド派手なテロを起こさなければニュースにならず、注目を集められず、存在しないも同然となっていく。

 常に新しいインパクトのあることをやっていなければ、次から次へと湧いて出る他のニュース速報に押し流されるだけになる。

 それがわかっていながらも、大ニュースになることをやれる力がないから、ますますジリ貧に陥っていく。

 どんな熱狂的なテロ組織も宗教集団も、現代の「ニュース社会」という地球規模の枠(これは西欧が作ったものである)から逃れることはできないのだろう。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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