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10.11仙女と10.12新日本 その4 「内藤のパレハは渡辺高章」と新日本の自給自足

 さて、問題の「内藤のパレハ(友人)」である。

 それは、無期限海外修行中だった渡辺高章であった。

 噂されたラ・ソンブラでも、もちろん潮崎豪でもなかった。

 今にして思えば「内藤のパレハは潮崎か?」という憶測に、内藤も渡辺も潮崎も苦笑していたのではないだろうか。

 潮崎の全日本退団とタイミングが重なったのは、やはり単なる偶然だったのである。


 私は何となく思うのだが、内藤も新日本自体も「両国大会ではパレハを連れてくる」との発言が、こんなにプロレス界で話題になるとは思っていなかったような気がする。

 思いもよらず期待値が上がってしまい、内藤も(もちろん渡辺本人も)渡辺がマスクを脱ぐときは結構ドキドキしていた気がする。



 しかし、「内藤のパレハは渡辺高章だった」ということで改めて感じるのは、「新日本は他団体の選手を活用する気がない」ということである。

 もし渡辺高章でなかったら、同じく海外修行中である高橋広夢(カマイタチ)でもあったのだろう。

 または海外の同盟・提携団体(ROH、CMLLなど)の選手だったのだろう。


 近年の新日本が「外敵の導入」による話題作り・テコ入れをやらなくなったのは、カード編成を見れば誰でも気付く。

 同じような対戦カードやリマッチが続き、しかしそれでも客は入っているし試合内容の評価も高い。

 何かまるで、四天王時代の全日本を見ているようでもある。


 これはもう、今の新日本の確固たる方針であるかのように感じる。


 そしてその方針に基づけば、内藤のパレハが潮崎だとかその他(日本の)他団体の選手だとかでないのは、当然と言えば当然である。

 こういう機会を他団体の選手紹介に使うなんてことはせず、自団体の若手選手のプロモーションにこそ使う。

 そうでなくても新日本は選手が飽和状態にある。

 わざわざ他団体選手の宣伝・売り込みをしてやる余地は、そして動機もどこにもない。

 今の新日本は「未知の強豪」さえも自給自足できる体制にあると言えようか。


 しかし思えば、「若手を海外遠征に出し、いずれ帰還させてスターにする」というのは新日本の昔からの伝統でもあった。

(直近の最大の例が、オカダ・カズチカである。)


 かつてUWFに選手が流出し、長州力らが全日本に移籍し、新日本が存亡の危機にあったときでさえ――

 武藤敬司、蝶野正洋、橋本真也ら後の闘魂三銃士を海外武者修行に出していた。

 「苦しいときこそ将来への投資を行え」とはよく言われるが、結果的にそれがこんなに正しかったことはないだろう。



 海外武者修行がそんなにもレスラーの技量を向上させるものなのか、私はレスラーでも何でもないのでよくわからない。

(橋本真也などは、海外遠征で最も得るものが少ないタイプのレスラーだと思うが……)

 しかし精神的なもの――度胸とか自信とか、「日本に帰ったら思い知らせてやるぞ」との反骨心を養う効果は、確かにあるのではないかと思う。


 ただ、これもプロレス団体にとっては一種の贅沢品である。

 普通の団体だったら――

 所属選手が少なくなれば、新人であっても海外などに出すわけがなく自団体の戦力として使う。

 いや別に少なくなくても、通常の興行に出して経験を積ませ、客の認知度を上げていくのが普通である。

(その新人選手自身も、そっちの方を望むだろう。)

 しかし今の新日本には、そういうことをローテーションで次々にやれるだけの余裕があるわけだ。

(まだ小松洋平、田中翔が控えている。)


 とはいえ、もういい加減カードがマンネリではないかとの声は、すでにファンの間で大きいのではないだろうか?

 「国内鎖国」とでも言うべき方針を採る新日本ではあるが、他団体の選手を招く「夢の対決」を望むファンも多いはずである。(実を言うと私もそうだ。)


 折しも「棚橋弘至vsHARASHIMA」の再戦話も持ち上がっている。

 あくまで新日本内部のみで、純度とクオリティの高い試合を見せられるのもいいが――

 やはりファンとしては、ある種の「問題試合」も見たいと思うのが性(さが)なのである。


 そういうのは劇薬であり、むやみに服用すべきでないというのは正論である。

 しかし「たまには」劇薬を飲んで見せてほしいというのも、正論と言えば正論のようなものだろう。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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