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華名改めASUKAのWWE入り その6 WWE「冊封体制」への道

 WWEはアメリカのプロレス界を制圧した。

 かつてアメリカでも多数の団体が割拠していたが――
 
 日本ではついに成らなかったプロレス戦国時代の統一を、本当に成し遂げてしまったのだ。

 それはライバルであるWCW、NWA、AWAなどを興行力で駆逐・圧倒することで達成された。


 しかし現代は、インターネットで他国のプロレスを簡単に見ることのできる「グローバル戦国時代」とも言える。

 プロレスライターの斉藤文彦氏などは、WWEの全米制覇(他団体の衰退・崩壊)の要因として、

「テレビの普及で全国の地元プロレスファンが、ウチの団体のチャンピオンはローカルチャンピオンに過ぎなかったと気付いたこと」を挙げている。

 それと同じことが、ネットの普及した現代で再現される可能性は多分にある。


 世界にはWWEより高度な試合をしている団体が、力量と魅力を兼ね備えたプロレスラーがいるかもしれない。

 そのことを世界のプロレスファンが知れば、巨人WWEと言えどもかつて自分が滅ぼした団体の二の舞になる怖れは充分にある。


 とはいえ、だからと言って――

 アメリカ国内を統一したのと同じやり方で世界を統一するなんてことは、WWEにとってもやはり手に余ることに違いない。

 それをするには他国で定期的に(年1回程度ではなく)興行を打ち、できれば地上波放送も取り付けねばならない。

 まさしく上陸侵攻の地上戦なのであるが、特に日本に限って言うと、そんなことはまず不可能であるかに思える。


 戦国日本を統一した豊臣秀吉や織田信長が、世界征服を狙って海外に出兵する――

 そういう比喩ができないこともないだろうが、あまり現実的とは言えない。 



 しかし、である。

 直接に興行戦争を仕掛けて他団体を潰すのではなく、もっと巧妙でコストもかからないやり方がある。

 つまり、他団体の存在は認めるし(否定したって、存在するという事実を消せるわけもない)、潰そうともしないが――


 全世界の他団体を、WWEへの登竜門と印象づければよいのである。

 プロレスファンどころかプロレスメディアもプロレスラー自身も、WWEこそキャリアの最高到達点、最高のステージと思うようになればよい。

 そうすれば「WWE以外の他団体」とは、自動的にWWEの選手養成ファームに位置づけられることになるのだ。



 自国のプロレス団体で頑張っていれば、いつかWWEへの道が開けてくるかもしれない。

 自国のプロレス界での激闘は、WWEへのパスポートである。

 誰もがそう思ってくれさえすれば、世界の全ての他団体はWWEの傘下団体も同然である。

 最近のWWEの「日本重視」は、まさに日本においてそういう意識と結果を生みつつあるのではないだろうか。


 またWWEは、もしかしたら意図的にそれを狙っているのではないか――?


 これは、歴史上の何かに似ている。

 かつての中国の「華夷秩序」思想、「朝貢-冊封」体制にである。


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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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