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華名改めASUKAのWWE入り その5 WWEの方向性と目論み

 華名にせよKENTAにせよプリンス・デヴィットにせよ――

 日本でキャリアを積み・名を挙げたその到達点が、WWE入りだとされている。

 そして日本では、「華名のWWE入りは、他の日本人女子プロレスラーの励みになるだろう」とも言われている。

 しかしこれは、どういうことを意味し/前提としているのか。

 もちろんそれは、「日本で頑張っていればいつかWWEに行くことができるかもしれない。だから頑張れ・頑張ろう」という意味に他ならない。

 また、WWEの方が日本マット界より格上だ、上のステージだという前提があるのも間違いない。


 ひるがえってWWEにとってみれば、どうしてわざわざ日本から(他団体の、若くもない)選手を採用するのだろう。

 そりゃ海外の熱心なプロレスファンは、KENTAや華名のことは元から知っていただろう。(インターネットのおかげである)

 すでに日本にいる時点で「世界的知名度のある、評価の高い人気選手」ではあったかもしれない。

 そういう選手を採用すれば、コアなファンを喜ばすことができる。

 知らないファンにも目新しく新鮮な興味を引き起こすことができる。

 それはわかるが、だったら生え抜きのレスラーをそういう風に育成・デビューさせればいいのではないか――

 集まってくる人材には事欠かないはずではないか、とも思う。


 
 何度も言うが、WWEの基本スタンスは「他団体の存在を認めない」または「世の中にはWWE以外のプロレスがある、WWEにもライバル団体がある、とファンに意識させない」ことである。

 いくら日本の有名・有望選手を採用するからと言って、またそれをやれば全世界のプロレスファンの大きな反響を呼ぶだろうとわかっていても――

 たとえば新日本との全面対抗戦をやろうなどという気配は微塵もない。

(そんなことしても、業界ぶっちぎりの最大手であるWWEを益することはあまりないだろう。

 WWEの放送網を使って他団体の大宣伝をしてやることになってしまう。)


 そのスタンスからすれば、他団体から選手を採用するなんてことはする必要がない――いや、やってはいけないとさえ言えるはずだ。

(もちろん、他団体を弱体化させようと引き抜く場合は別である。)

 しかし現実には、最近そんなことを立て続けに行なっている。

 これは何を意味するのだろう?


 一つ考えられるのは、WWEはいよいよ「プロレス団体」ではなく「イベント会社」に移行しつつあるのではないかということである。

 もうずいぶん以前から、WWEはプロレス団体を名乗ることを止めている。

 そして今のWWEの「ライバル団体」(主敵)というのは、もはや規模的に総合格闘技のUFCであると言える。

 かつて隆盛を極めた日本のPRIDEが「団体」でなく「場」であったように、今のUFCもそうであるように――

 WWEもまた自ら選手を抱えることなく、世界中からこれはという「タレント」を集めて「ショー」(これらはWWE自身が使っている言葉である)を開催しようとしている。

 今はその移行期にあるのではないか、という見方だ。



 そしてもう一つは、それとは真逆とも言える見方である。

 つまりWWEは全米統一を成し遂げたのみならず、次は本当に世界プロレス界の統一・制圧を――

 「全世界唯一のメジャー団体」となることを目論んでいる、との推測である。 


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[C33] WWEの目論見

考察お疲れ様です。
どちらの選択肢も、あり得そうですね。

私は、現在、WWE を視聴できる環境に無いのですが、KENTA の入団特番は、無料だったので見ました。
そして、WWE を視聴したいと思いました。

スカパーではなく、新日本プロレスワールドみたいな視聴方法があったら飛びつくのですが。

KENTA や、プリンスデヴィットの現在のファイトが見たいです。
  • 2015-09-22 00:58
  • ムームー
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[C37] ムームー様

 まさに「WWE Network」という新日本プロレスワールドに先行する定額サービスがあるのですが、なぜか日本では使えませんね。

 いくら膨大な映像コンテンツがあるとは言っても、その全てに日本語字幕を付けるのは手間で経費がかかるからかもしれません。

(見る方も、ナマの英語しか流れないのではカネを払って見ようとは思わないですから。)

 もしこのサービスが日本でも開始されたら私も見たいのは見たいですが、時間もないのにこれ以上視聴コンテンツを増やしてどうすんだ、というジレンマがあります(笑)
  • 2015-09-23 03:53
  • 平 成敏
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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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