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フェミニストはなぜイスラム国と戦わないのか? その3

 次に(3)の「しょせん遠くのよその国の話である。そんなことより身近なことから手を着けよう」。

 遠くのイスラム国なんかより近くの日本の方が先、地方自治体の方が先。

 これは、理解できる考えである。

 それがたとえ「叩きやすいから」「叩いても反撃がないから」「叩けば何らかの成果が見込めるから/得点が稼げるから」との理由に基づくものだとしても、戦術としては合理性がある。


(⇒2015年9月5日記事:碧志摩メグに見る「民間と行政の違い」その1 叩けば折れるから叩く)

(⇒2015年9月6日記事 碧志摩メグに見る「民間と行政の違い」その2 自治体萌えキャラの終焉とイスラム国)


 そして私自身が以前書いていたように、「何でもかんでも手を出す」というのは、失敗に至る確実な道でもある。

(いわゆる「二兎を追う者は一兎をも得ず」だ。)

(⇒2015年5月31日記事:なぜイジメ自殺は…その12 日本の労働生産性が低い理由?「何でもかんでもやるべき」という労働道徳)

(⇒2015年7月14日記事:集団性を減らせ――再論「何でもかんでもやるべき」思想)


 しかし、だ。

 簡単なことから先にやるのはいいとして、ではいつになったら「その先」に進むのだろう?

 どうもやっぱり、少なくとも日本のフェミニストは、いつまで経ってもイスラム国・イスラム圏に取りかかりそうもないではないか?

 イスラム国の支配下で多くの少女が奴隷化・売買されているニュースを知らないはずがないのに、何の反応も示していないではないか?


 そしてこれまで述べたように――

 自治体の萌えキャラには反対するが、民間業界の萌えキャラ・アニメキャラ・アイドル・雑誌のグラビア・写真集・エロ本・エロ動画なんかには声を上げない。


 意地悪く言えば、こうも言える。

 いったいコンビニチェーンの本社に「エロ本を取り扱うな」と言いに行くこともできない者が、どうしてイスラム国に反対できようか、と。

 そんなことを期待するのはフェミニズムを買いかぶりすぎである、と。



 もし「その先」に進む気がないのだとしたら、

 フェミニストは攻撃しやすい対象(日本においては「行政」である)が、つけ込む余地のあるヘマを起こすのを虎視眈々と待っていることになる。

 それが起きたらすぐ飛びかかるつもりがあるし、実際に飛びかかる。


 繰り返すが、私はこういう戦術を否定しようとは思わない。

 「相手のウィークポイントを集中攻撃する」というのはプロレスの定石ともされている。

 生物界の捕食者はほとんど全てこういう方法で狩りもしている。 

 まず行政の萌えキャラを叩いておけば、それが民間の萌えキャラ使用を萎縮させるかもしれない。「女性性」の商業的・性的消費を食い止める力になるかもしれない――

 これはあまりに空想的で、「そんなことあるわけないだろう」と思える。

 実際そんなことにはならないだろうし、なる気配もない。


 しかし問題は、碧志摩メグに反対する人が本当にそういうことを目指しているかどうかである。

 彼ら彼女らはその信条からして、どんなに困難であってもそういう道を目指すべきなのだ。

 もしそうでなく、日本の行政が何かしたら叩くだけで民間・イスラム圏の「女性蔑視」には沈黙を守るとしたら……

 これは何だか、理念理想を追求する個人・集団のあり方と言うよりは、職業クレーマーの生態に見えてしまうのである。

 
 いったいいつになったらフェミニズム団体は、テレビ局やアニメ制作会社に「顕著な性的誇張表現」キャラを使わないよう署名運動を起こすのだろう。

 それをしないのは人民の反感を恐れるからか、バカ扱いされるからか、蟷螂(とうろう)の斧だとわかっているからか?

 しかし、女性を商品化し、そういうことが当然だ当たり前だとの雰囲気を作っているのは、疑いなく行政でなく民間である。

 自治体の萌えキャラなど民間のそれに比べれば、キャラ数も社会に対する影響力も何ほどのこともない。



 フェミニストは、フェミニズム団体は、今すぐ「民間の萌えキャラ使用」に(せめて、苦言を呈するような)コメントを出すべきではないのか。 

 そしてイスラム国について、ほんの少しでも触れるべきではないだろうか?

 もし本当に、理念と理想を追い求める気があるならば――

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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