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異常ツイート殺人事件と犯罪者データベースの構築 その4

 異常者を監視することは、国民の望みであっても許されない。
 異常者のデータベースを作って共有することも、たとえそれが国民の草の根運動であっても許されない。
 そう主張する人は、これらが国民投票や住民投票で是とされてもなお許されないと言うだろう。
 投票を行うこと自体間違っていると言いたいだろう。
 そして現在の日本では、それは憲法(の理念)に反することだと言うに違いない。

 では、国民が戦争を望む場合にはどうだろう。
 国民の多数が戦争を望むことはあり得る。海外派兵すべきだとみんなが言うこともあり得る。

 それはやはり、憲法が禁じているからできないのだろうか。
 国民の願いを憲法が阻み、国民はそれに従わなくてはならないか。

 「憲法とは国民から国家への命令・拘束である。国民に対してのものではない」というのが世の通説のようである。
 そうでないとする者は「わかってない奴」とけなされる。

 この論から行くと、憲法の戦争禁止は決して国民を拘束しているのではない。
 しかし国民の選んだ政治家は拘束する、だからたとえ主戦論者の政治家を国民が支持して当選させても彼は憲法に拘束される、たとえ国会の9割をそういう政治家が占めたとしても、なお戦争できないことになる。

 これは、どう考えても国民の意思の否定である。
 そして私は、こういうのを民主主義とは言わないと思う。あえて名付けるなら「理念主義」とでもなろうか。 

 さらに思うのは、これは明らかに現実無視であることである。
 どんなに「正しい」理念を守ろうとしても、肝心の人民の意志――世の中の雰囲気が変わりさえすれば「正しさ」は変わる。
 雰囲気に沿わない体制は必ず変わるか打倒される。
 そしてこうした変化は、いつか必ず絶対的に訪れる。
 そうでなければ今の日本が「民主主義は正しい」雰囲気になっているはずがない。
 卑弥呼のような鬼道政治、律令体制、封建体制がずっと続いているはずである。

 私は今の憲法を変えるべきだと強く思っているわけではないが、しかし今の憲法がこれから何十年後も何百年後もそのまま変わらないなどと、事実としてあり得ないことだと思う。
 日本であれその他の世界であれ、今現在の社会や雰囲気が永遠に変わらないと信じる人はまずいないだろう。
 
 しかし、そうあってほしいと願う人はいる。
 徳川幕府の永続を願った人はいたし、そのために誠心誠意尽くしぬいた人もいる。
 自分の属する王朝や族長のために、また「正しい」と信じる理念のために、命を賭けて戦った人は世界中に何百万人も存在したし今もいる。

 それでもやっぱり、変わらないことはないのである。
 永遠に続くもの、永遠に正しいものはないのであり、世の雰囲気が変わればかつて大事だとされていたことも誰も大事だと思わなくなる。関心さえも持たれなくなる。甦ってほしいとも思われなくなる。
 それは今の日本で徳川幕府の復興を本気で考える者、封建体制への回帰を本気で論じる者がいないことを見ればよくわかる。
 仮にそんな人がいたとすれば、狂人変人と世の中に見なされることでもわかる。


 私は、今の護憲派と呼ばれる人たちは、敗北を運命づけられていると思う。
 彼らはまぎれもなく保守派であり体制派であり、ゆえにいつかは崩壊変質するに決まっている。
 現実への対応ができなくなった時、大多数の人民がそう見なした時、あらゆるものは淘汰されていく。

 それは彼らももちろんわかっているだろう。
 しかしそんなことはわかった上で、なお大事だと思うものを維持しようとする。
 この世に永遠はないと確かに知っていながら、なお永遠を求める。
 それが人間の心情だということもよくわかる。
 私自身にもそんな心情があるからである。


 おそらく、民間による犯罪者・犯罪者予備軍データベースの構築及び予防監視は、現実の需要によって実現への道をたどるだろう。
 その需要は、まさにそういうことを止めさせたいリベラル派を含むメディアの報道によって喚起される。
 戦争において民間軍事会社が正規軍の補助をするのが普通のこととなったように、国内治安活動において民間監視会社が警察の補助をするのが普通のことにもなるだろう。
 この傾向を阻止するのは、人民の忘れやすさと「まさか自分の身には起こらない」という意識しかないように思われる。


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平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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