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志摩市萌えキャラ「碧志摩メグ」騒動と美人資本主義

 三重県志摩市の公認萌えキャラ、「碧志摩(あおしま)メグ」をめぐってちょっとした騒動になっている。

 少し長くなるが、雰囲気を掴むために引用しておく。

20150830碧志摩メグ
碧志摩メグ(ⒸMARIBON)


20150830碧志摩メグ・サミットポスター
碧志摩メグ・サミットポスター(ⒸMARIBON)



(引用開始)*******************************


三重県志摩市の海女「萌えキャラ」は女性蔑視 「サミット」開催時に海外首脳に見せられない??

(J-CASTニュース 8月7日(金)19時15分配信)

 三重県志摩市には「碧志摩(青島)メグ」という海女をモチーフにした市公認の萌えキャラクターがいる。

 2016年5月26日から5月27日にかけて行われる第42回先進国首脳会議「伊勢志摩サミット」の盛り上げにも一役買っているのだが、この「碧志摩メグ」を市の公認から外そうという署名運動が起こっている。

 地元の女性らが発起人になっていて、キャラの裾がはだけ足を露出していてイヤらしく、これは女性蔑視であり、海女の文化やイメージを損なうものである、という理由を挙げている。
 
 ましてや海外の首脳の目に触れさせるなどもってのほかだ、というのだ。


(中略)


 市の観光戦略室によると、15年春ごろから抗議のメールや文書が届くようになり、直接市役所を訪れて公認をやめるよう訴えられた。

 母親が海女だというある女性は、若い女性の体だけをアピールしているようなもので、子供に見せられないし、海女という職業や文化の誤解につながる、と主張した。

 「伊勢志摩サミット」を控えているのに各国首脳にこんなキャラがあるのを知られるのは恥ずかしい、といった抗議を繰り返し、15年6月末から母親と一緒に発起人となり公認から外すための署名活動を始めた。

 15年8月13日に公認の撤回を求めた170~200人分の反対署名が市長と市議会議長に提出される予定だそうだ。

 市には海女さんをモチーフにしたゆるキャラ「しまこさん」がいて、こちらは「万人に愛されるキャラ」で、「碧志摩メグ」は主に若い層にアピールするために採用している。

 「若者がこれまで知らなかった海女文化について少しでも興味を持ってもらえるようになったら、というのが狙いです。アニメキャラというのは全ての人に受け入れられるというものではないのかもしれませんが、新しい視点でPRに役立てられればと考えました」

と担当者は話している。

 実は「碧志摩メグ」の人気は急上昇中だ。ツイッターのフォロワーは1200近くになっている。

 無料通話アプリ「LINE」のスタンプは、2週間で10か国計約1万5000人が購入した。

 サミット開催を歓迎する文字をあしらった「碧志摩メグ」ポスター第二弾が市の市観光協会で無料配布され、観光協会によると大好評だった。

 15年8月7日は昼過ぎまでに100枚が出た。子供からお年寄りまで貰いに来ているという。

 志摩市で起こったゆるキャラ騒動にネットでは、

 「ごくまっとうなキャラデザだと思うが…」

 「自分が理解できないものはすべて気持ち悪い、みたいな人っているよね」

などと「碧志摩メグ」の何が悪いのか、首を傾げる人が多い。「碧志摩メグ」のツイッターではこの騒動を報じた新聞の写真が掲載されていて、フォロワーたちは、

 「批判しかできない人に負けないで頑張ってください 応援しています」

 「海女という職業の『大変さ』と、それでもやり続けている『海女の魅力』を伝え、『海女になりたい』という声が若い世代から聞こえてくれば素晴らしいことだと思います。 そして今、それが出来るのが『碧志摩メグちゃん』だと思います。 頑張ってください」

 「とってもいいと思うよ」

 などといった応援コメントが付いている。


(引用終わり)*******************************



 なお、碧志摩メグのキャラクターを制作したのは、三重県四日市市のイベント企画会社「(株)マウスビーチ」である。

 元バイクレーサーの浜口義博氏がレーサーデビューしたのが志摩市で、その恩返しとして制作したという。

(マウスビーチは浜口氏の妻が代表を務め、レーシングチームの運営やバイク用品の販売等を行なっている。

 社内にMARIBON事業部というアニメ制作担当部署を立ち上げたのは、2013年頃のようである。)

 
 志摩市は今のところ公認を取り消すつもりはなく、これからも碧志摩メグを市のPRに使う方針のようだ。

 そして8月25日、公認撤回を求める団体は、約7000人分の署名を志摩市役所に提出した。

 さらにこれに対し、「公認撤回反対」を訴える署名活動がネットで始まってもいる。



(引用開始)*******************************


三重県志摩市の萌えキャラの公認撤回を求めた署名は、表現手法に対する無理解と差別にもとづく偏見だと署名活動開始

(ねとらぼ 2015年8月29日)

(前略)公認撤回は“萌え絵を支えるオタク文化やその表現手法に対する著しい無理解と差別に基づく偏見”だとして署名サイト「change.org」で賛同者を募っている。

 「志摩市公認キャラクターへの、当事者と無関係の団体からの圧力への抗議と表現の萎縮を防ぐ意思表示を!」と題したキャンペーンで、当事者である海女さんたちの中でも賛否が分かれており、絵柄やオタク文化に対する個人的な不快感や感性の相容れない人々を非難するものばかりが目立つと説明。

 表現活動や出版等が萎縮するきっかけを作らないよう呼びかけている。


(引用終わり)*******************************



 自治体が「ゆるキャラ」のみならず「萌えキャラ」を地域PRのため採用するのは、今や珍しいことではない。

 ウィキペディアには「萌えおこし」という項目もある。

 私は以前の記事で、現代日本は「美人資本主義」の国であると書いた。

(⇒ 2015年6月22日記事 フェミニズムは美人資本主義に負けた)

 そしてもちろん「萌えキャラ」の氾濫と浸透は、美人資本主義の一つの形であり、その尖兵とも帰結とも言えると思っている。

 思えば萌えキャラの生きる二次元の世界は、三次元の世界(つまり現実の世界)よりはるかにいっそう美人資本主義の権化である。

 現実世界には美人ならざるブス・ブサイクが大勢いるが、二次元世界にそんなのはいない。(いることを許されず、また望まれない。)

 いるのは美人・美少女のみ。そこは完璧に純化された美人資本主義の世界なのだ。


 
 我々はそういう「現実」を好ましいものとして受け入れている。

 特に若い世代はそうである。

 だからこそ「お堅い」自治体でさえもそれを活用しようとする。



 しかし今回はそれに対する反対が、ネットでの書き込みや市役所への電話などにとどまらず、実際の署名運動・署名提出にまで至ることとなった。

 これは美人資本主義への、(今どき珍しい)はっきりした拒絶・反撃なのだろうか?

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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