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高尾山古墳の取り壊し方針撤回と「外圧に弱い日本人」 その1

 道路建設により取り壊されることとなっていた高尾山古墳(静岡県沼津市)だが、

 8月6日の記者会見で、沼津市長はその方針を撤回すると表明した。

 今後は古墳保存と道路整備の両立を目指し、協議会を設置して一から議論するそうである。


 これについては以前、5本の記事を書いた。

(⇒2015年6月28日記事:趣味vs民主主義――高尾山古墳の破壊を巡る戦い)

(⇒2015年7月1日記事:日本的民主主義、すなわち封建民主制?)

(⇒2015年7月3日記事:「あれもプロレス、これも民主主義」?)

(⇒2015年7月4日記事:現代の行政は、室町末期の足利幕府なのか)

(⇒2015年7月4日記事:「絶対安全圏からの攻撃」――質問するのはバカでもできる、の法則)


 その中で私は「たぶん、古墳は壊されてしまう」と書いたのだが、予想は外れたことになる。謹んでお詫びしたい。

(別にお詫びする必要もないのだが)


 さてもちろん、私はこの決定を喜んでいる一人である。

 それは私が日本古代史に興味がある人間であり、しょせん渋滞解消を望む周辺住民じゃないからである。


 きっと今ごろ道路建設要望書を出した住民らは、「役に立たん市長だ」などと言っていることと思われる。



 栗原裕康・沼津市長は、なぜ取り壊しを撤回したか次のように述べている。

○「報道と会長声明をきっかけに、全国から想定をはるかに上回る意見を頂いた。反省したい」(毎日新聞 8月6日記事)

○「日本考古学協会の会長声明で、現状保存しないと学術的価値が損なわれると強い意見があった」

 「報道が古墳問題を取り上げ、多くの方が関心を持ったことで一から検討しようと決めた」(中日新聞 8月7日記事)

○「大半の意見は(古墳の)保存と(道路の)整備の両立。学会などの意見も踏まえ、残すしかないと判断した」。(読売新聞 8月8日記事)



 私は沼津市の職員でもないので知るよしもないが、市役所へ大量の電話やメールが来たのは推測できる。

 それにしても思うのは、「全国から想定をはるかに上回る意見が来た」とかいうのは、それこそ想定できたのではなかったか、ということである。

 東日本最古級、あの邪馬台国と同時代の古墳が壊されるとなれば、かなりの反響が来るのは誰にでも予想できるだろう。

 市長以下、揃いも揃ってそんなことが予想できないというのは、まさにこれこそ想定外だ。


 むろん、全国から反響があるのは全国報道されたからである。

 かつてなら地方新聞(及び全国紙の地方版)に載っただけならその地方だけで話題になったかもしれないが、今はネット記事が全国で見れる。

 そんなのは当たり前なのだから、全国的な問題になる(かもしれない)というのもこれまた予想がついたはずだ。

 
 私は、以上のことが当然わかった上でなお、古墳を壊すと決めたものだと思っていた。

 そしてまた、地元住民がそれを望む――陳情書まで出して望んでるのだという、「錦の御旗」を盾にするのだろうと思っていた。

 しかしいざ外部から(沼津市内でも3つの保存団体が発足したが)の猛反対があると、錦の御旗でなくあっさりと白旗を掲げてしまう。

 いったいどうしてこうなっちゃうのか?


 これもまた推測に過ぎないが、以下考えるところを述べる。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

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