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巌流島第2回検証大会(2015.7.18)感想 その2

 闘技場(巌流島では「島」だろうか)の周りにスモークをくゆらせ、まるで雲海の上の山頂で戦っているかのような雰囲気を出す――

 今回はそんな演出を行なっていた。 

 正直、私にはそんな演出をすることは全然思いつかなかったのだが、知恵者・アイデアマンはいるものだと素直に感心する。

 外のマットに水蒸気が付着して滑りやすくなるというデメリットは目立ったものの(よく選手が滑っていた)、これはいい演出ではないだろうか?

(真っ先にコストカットの対象になってしまいそうではあるが。)

 この工夫は、巌流島が「転落したら負け」ルールを重視していることを強調する。

 そしてまた、巌流島がバラエティ系格闘イベントであることをいっそう印象づけてもいる。


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 私は今回の巌流島、何度も見せ場・盛り上がり場があったと思う。

 そしてそのほとんどが、「場外に3回転落したら負け」というルールに起因するものだと感じもした。


 海鵬(大相撲)の相撲力士ならではの押し出し、

 岡倫之(レスリング)のルール順応による押し出し勝ち、

 ボロドバートル(モンゴル相撲)の「突進する相手をヒラリと躱して転落させる」戦法――

 極めつけは、前回大会優勝者ブライアン・ドゥウェス(キックボクシング)の「島の際(きわ)での巴投げによる放り出し」だろう。

 今回ドゥウェスは、ほとんどそれだけやって勝った。

 このうち最後のドゥウェスのケースのみは、「上手いのは上手いが、面白くはない」という感想を多くの客に抱かせたと思う。

 しかしもちろん巌流島に限らず、全部の試合が珠玉の試合であるはずがない。

 我々はプロレスを見るときでさえ、そんな高望みをするわけではない。(むろんプロレスラーはそれを目指すのが仕事だが。)

 
 思うにプロレス以外の格闘技の妙味とは、いろんなパターンの試合が自然発生する点にあるのだろう。

 そこには超興奮する試合もあれば、必然的に塩試合も生じてくる。(今回はミノワマンがその役に当たった、と言える。)

 私はプロレスが、超興奮する試合を人工発生させようとしていることを否定しようとは思わない。

 間違いなくそこには人為的な工夫が――互いのレスラーの協力などが――存在する。

 しかしだからといって、人為的だから価値が低いとも思わない。

 天然ものでなく作り物だからくだらない、面白くもないとは思わない。


 どうやら巌流島は、総合格闘技でもプロレスでもない面白さを出すことに成功しかけているように思える。

 しかしそうしてみると、フジテレビが巌流島の放送を打ち切った理由がやはりわからなくなる。

 繰り返しになるが、PRIDE(本式総合格闘技)の復活と巌流島(バラエティ格闘技)の継続は、両立しないものではないはずなのだ。

(⇒7月19日付け記事 「巌流島」放送中止理由の推測1) 

 
 PRIDEが復活すれば巌流島は「二流格闘技イベント」になる。

 そこに出る格闘家も二流と見なされ視聴率が取れず、だから今のうちから切っておく。


 こういう思考法なのだろうか?

 もしこれが正しければ、PRIDEの復活話はごく最近になって具体化したのだろう。

 巌流島立ち上げの記者会見は、昨年11月17日。

 少なくともこの頃までは、PRIDE復活の話はなかったと推測される。


 しかし理由はどうあれ、巌流島はフジテレビという放送母体から手を切られた。

 今後は他の地上波放送局/CS放送局に拾ってもらうか、ネット放送に特化するか……

(なんか、テレビ東京あたりが拾いそうな気もする。)

 もしそれが成功すれば、新生PRIDEとの格闘技興行戦争が勃発するのかもしれない。

 かつて、2003年の大晦日に地上波3局で3つの格闘技番組が競合したのと比べればはるかにスケールダウンではあるが、

 そんなことになるのを想像するのもなかなか興味深いことではある。

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プロフィール

平 成敏

Author:平 成敏
1970年代生まれの男性。
認定ファシリティマネジャー、主に施設管理の仕事に従事。
プロレス、社会、歴史など、興味関心のある分野についてあまり脈絡にこだわらず書いていきます。(⇒プロレス以外の話題については、別ブログ【社会・ニュース・歴史編】をご覧ください。)

著作一覧(アマゾンkindle版)

ペペチール第三王朝の興亡:表紙 世界系統樹:表紙 尊敬なき社会(上):表紙 尊敬なき社会(下):表紙

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