こういうのも広義のズンドコ興行、それとも放送事故と言うのだろうか? 7月18日の『巌流島』第2回公開検証大会(両国国技館)はCS放送のフジテレビNEXTで生中継予定だったが、前日の17日になって急遽それが中止になったと発表された。
フジテレビ側は「編成上の都合。前日発表に特に理由はない」とし、「検証番組についても今後の放送予定はない」とコメント。(※第1回大会の後、それを検証する番組がフジテレビONEで3回放送されている。)
まさにとりつく島もない、完全に手を引き、突き放す態度である。
巌流島実行委員会・広報部長の谷川貞治(言わずと知れた、元K-1のイベントプロデューサー)によると、本当にフジテレビ側から理由説明はなかったらしい。

困惑する谷川広報部長(TOKYO HEADLINE 7月17日記事より)
※余談だが、つくづく絵に描いたような「困った表情」をする人である。 以下はBOUT REVIEWに掲載された、谷川コメントの引用である。
(http://www.boutreview.com/2/news/ganryujima/item_17687.html)(引用開始)****************************
「昨日(16日)午後2時近く、巌流島の事務局の人間がフジテレビに呼ばれ、担当プロデューサーから突然、明後日の試合の放送はできないと言われました。
理由は一切言えないといい、何度聞いても答えてもらえませんでした。 契約書は結んでいますので、放送することになっており、非常に驚いており、残念でたまらない状況です。
例えばコンプライアンス的に問題が無いか?ということでしたら、胸を張って(問題)無いと断言できます。 過去のスタッフとも全く違いますし、今の契約している会社もコンプライアンス的に全く引っかかりません。
個人的な感想ですけど、
12月31日に巌流島とは違う、別の格闘技団体が地上波で放送することが決定しているとチラッと聞いていますが、そういうことが理由なら言っていただきたい気持ちもありますし、20年間フジテレビさんと付き合ってきた中で、非常に驚いてますし、残念でならないです。
契約している会社に関しては訴訟になると思います。
昨日言われて選手にも伝えられていない状況です。
なんとか放送はしたいので、今はニコニコ生放送さんとお話しをし、生は難しいですが、数日後のディレイで放送できるように努力しています。
カメラは手配しました。
さっき言った他の格闘技団体には凄く頑張ってほしいです。
誤解はして欲しく無いんですが、かつてしのぎを削った優秀な方々のイベントなので楽しみにしています。
そういうのが理由じゃないのかもしれないんですけど、ずっと“フジテレビ×格闘技 再始動”ということで巌流島を取り上げていただいて、ここまで来たので、せめて放送して、その次の話だったらショックも無かったんですが、ダメージを与えられるような形で無くなったことは非常に残念です。
(今後の開催は?)次は12月ぐらいにやっていこうと思っています。」
(引用終わり)****************************
12月31日に地上波(フジテレビ)放送が決定した(?)「別の格闘技団体」とは、むろん旧PRIDE一派(榊原信行ら)のことであろう。
そして「たとえばコンプライアンス的な問題」に触れているのは、その旧PRIDEがフジテレビに契約解除されたのは暴力団がらみの理由だった故事を踏まえている。
それにしても『巌流島』は、初めからフジテレビ自身が音頭を取って立ち上げたイベントである。
それがなぜここに来て、急転直下いきなりこんなことになるのだろう?
理由も言わず放送契約を直前になって反故にするなど、これが大テレビ局でなければ許されざる大問題である。 普通なら、こんな会社とはもう誰も二度と取引すまい。
(しかし大テレビ局であるがゆえに、そういう心配はないのは確かだ。一般の会社で言えば、手形が落ちなかったようなものなのだが。)
むろん、巌流島実行委員会――自民党衆議院議員・馳浩(はせ ひろし。元プロレスラー)が委員長である――及び、
「巌流島立ち上げのきっかけはこの人の一言」とされる、お笑い芸人・千原ジュニアらの顔を完全に潰す行為でもある。 また谷川コメントにもあるように、裁判所へ訴えられても全然おかしくないし、(現時点の報道を見る限り)フジテレビ側が敗訴する可能性が濃厚でもある。
そんな悪評やリスクをこうむるのがわかってる上で、なお中止にするというのは、よほどの理由がなければならない。
私にはフジテレビにも格闘技界にも何の情報源があるわけでもないが、自分なりにその理由を考えてみたい。
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