8月27日(日本時間28日)、アメリカ・AEW(オール・エリート・レスリング)のイギリス大会「ALL IN」が、ロンドン・ウェンブリースタジアムで開催された。
東スポwebでは、その大会のうち2つの試合が掲載されている。
(1) ケニー・オメガ (×)&アダム・ペイジ&飯伏幸太 vs ジェイ・ホワイト&ジュース・ロビンソン&竹下幸之介 (◯)
(2) ウィル・オスプレイ (◯) vs クリス・ジェリコ (×)
(⇒ 東スポweb 2023年8月28日記事:【AEW】飯伏幸太と竹下幸之介が聖地ウェンブリー参戦! 竹下はケニーから大金星)(⇒ 東スポweb 2023年8月28日記事:【AEW】〝UK王者〟オスプレイが8万大観衆の前で凱旋勝利! 52歳ジェリコも貫禄の大健闘) これは確かにドリームマッチみたいなカードで、試合内容も素晴らしかったようだ。
しかし、
それより何より日本のプロレスファンの度肝を抜くのは、この大会の観客数が「8万人超」と書かれていることだろう。
あなたもこの報道を見たときは、「は、8万だと……?」とビックリしなかっただろうか。
これは近年の新日本プロレス年間最大イベント1.4東京ドーム大会の、優に2~3倍の数である。
世界最大のプロレス団体WWEのレッスルマニアに、勝るとも劣らない数字である。
いったいイギリスのどこにそんな多くのプロレスファンがいるのか、どうやったらイギリスでそんな多くの観客を集められるのか――
8千人でも御の字だと思っていた私は不明を恥ずるばかりだが、しかしこれって驚異的・脅威的実績ではあるまいか。
AEWは、豊富な資金力で知られている。
オーナーのトニー・カーン氏が大富豪だからである。
これはもう、
企業プロレスを超えた大富豪プロレスとでも言うべきだろうか。
決して所属レスラー・参戦レスラーの力量を軽視するわけではないが、今回の(本国でさえなくイギリスでの)集客的大成功は、この大富豪プロレスというものの威力をまざまざと見せつけたように感じられる。
そしてまた、AEWが文句なく「世界第2のプロレス団体」だということを世界のプロレスファンに印象付けたとも思う。
あとは本国アメリカで「10万人イベント」を成功させたとすれば、WWEと並び立つ「世界双璧のプロレス団体」に成り上がることも全然夢ではないだろう。
それは日本人レスラーにとって、WWE以外の海外進出の選択肢ができることを意味する。
もちろん今までもAEWという選択肢はあったのだが、それがWWEと天秤にかけていい選択肢として鮮明に浮かび上がってきたのである。
私は当然、AEWに上がるギャラがどれだけのものか知らない。
しかしやはり、心配にはなるのである――
飯伏幸太も竹下幸之介も、アダム・ペイジもジェイ・ホワイトもジュース・ロビンソンも、そしてウィル・オスプレイも、
新日本やDDTでもらう報酬の何倍の報酬をAWEから支払われ、提示されているのだろうかと。 オスプレイは新日本との次期契約をしようかどうか迷っているらしいが、おそらくそれは報酬額がかなり違うだろうからである。
昨今の日本では、「安い日本・安すぎる日本」というのが社会の中心テーマの一つとなっている。
そしてプロレスは、昔から社会を映す鏡だと言われてきた。
そしてここでもまた、
安い日本から高い海外への選手流出の道が開かれたのかもしれない。
その流出先は、WWEだけでなくAEWもという2倍に増えて……